FEEL《中》
「んじゃあ…自己紹介しますわ。」


「俺は野良(ノラ)です。」



黒髪の眼鏡の男が立ち上がり言った。全体を見渡しお辞儀をすると静かに席に座る。野良って名前に似合わない忠犬オーラが漂う。



「んで他の奴らは俺が言っていきますわ。あ、ちなみに俺は歩(アユ)。まぁ、よろしく。」



関西のイントネーションで副総長は話すと一人を指差した。



「此奴は久茂(クモ)。この緑がかった髪は変人の証拠やな。クールな感じ出してるけどそんなんちゃうんで。」


「おいっ!イメージ壊れただろがっ!何してくれんだよっ!」



歩の言葉に怒り久茂が立ち上がるが、無理やり野良に座らされた。おとなしそうに見えて野良は強いのかもしれない。



「此奴は乍羽(サウ)。コミュ障なんで気にしんといて下さい。」



ボーっと乍羽は机を見ていたがいきなり立ち上がった。



「肉まん欲しいんだけど……。」


「お前って何処から毎回そこに辿り着くんだよっ!」



綺麗な久茂のツッコミが入るが乍羽は気にしていない。
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