不機嫌なキスしか知らない
「俺、告白しようかな」
水曜日の放課後。
友達と喋っていて遅くなってから学校を出たら、ちょうど部活終わりの圭太と会って。
一緒に家に帰っている途中、圭太の言葉に、思わず足を止めた。
「え……」
「最近メッセージもずっとやり取りしてるし、そろそろ告白したいと思ってるんだけど……」
その言葉はゆっくりと、だけど確実にぐしゃりと私の心を握り潰して、目の前を真っ暗にした。
それでもへらりと笑って、
「いいじゃん!」
と背中を押してしまう私だから、圭太に気付いてもらえないんだよ。