不機嫌なキスしか知らない
「今日は疲れたなぁ……」
体育祭の日の夜。
疲れ切って家に帰って、ベッドに座る。
紘との関係が圭太にバレそうになったり、紘のこと特別に想ってる自分に気付いたり、それから麗奈先輩と話したり。
色んなことがありすぎて、頭が追いつかない。
ため息をつきながらスマホを見ていると、ピンポーン、とチャイムが鳴った。
宅配便か何かかな、と思っていたら、1階からお母さんの声。
「紗和、圭太くん来てるよー」
驚いてドアを開けたら、嬉しそうに笑っている圭太がいた。