不機嫌なキスしか知らない
紘と一緒に歩く水族館は楽しかった。
「あれ英語の先生に似てない?」
「似てるわ」
なんて会話を、魚の水槽を見ながらしたり。
繋いだ手は、一度も離そうとしなかったり。
「クラゲ可愛い!」
「本当だ、綺麗だな」
そんな会話をしながらクラゲの水槽を見た後、お土産屋さんでクラゲのマスコットを見たり。
「クラゲ気に入っちゃったなぁ、可愛くて」
「これお前に似てる」
紘が見せて来たのは、ピンクのクラゲに顔がついたマスコット。
なんとも言えないアホっぽい顔をしている。
「似てないよ!」
「そっくりだろ、買えば?」