不機嫌なキスしか知らない



それからしばらく喋っていると私の教室の前に着いて、圭太が「じゃあな」と手を振った。


「また後でね」と手を振り返して教室に入る。




はあ、とため息をついて席に座る。
と、友達の杏奈が「おはよ〜」とやって来た。




「紗和、今日のホームルーム席替えらしいよ」



自然に私の前の席に座る杏奈が、嬉しそうに話す。


「あ、そうなの?」

「とにかく後ろの席がいいなぁ」

「それはそうだね」



私の今の席は前から2番目なので、席替えは嬉しい。とにかく少しでも後ろに行きたい。


そんなことを考えていると、突然肩に回された腕。




「よー、紗和」




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