不機嫌なキスしか知らない



「幼なじみだから何?幼なじみが誰と仲良くしたって、何も言う権利なくない?」



「紗和には幸せになってほしいから、紗和が遊び人に騙されかけてたら止めるよ」




ふーん、と紘が不機嫌な返事をする。
真剣な顔で答える圭太。




「でも自分が幸せにする気はないんだ?」

「は……?」

「幸せになってほしいなら、自分が幸せにすれば?」

「それは、違うだろ。幼なじみだし」



少し戸惑った圭太に、紘はへえ、とつめたい視線を返す。


< 95 / 275 >

この作品をシェア

pagetop