世界はきみに恋をしている。
カナが窓の外を指差す。
この教室からは、グランドがちょうど見えるんだ。
ノガミくんは、男の子たちと楽しそうにサッカーをしていた。多分、サッカー部の子だって何人かいるはずなのに、ノガミくんは一番足が速くて目立っている。
「ノガミくん、すごいね…」
「あいつ、運動神経いいのね」
ノガミくんに、苦手なことってないのかな?勉強だって別にできないわけじゃないし、むしろきっと出来る方。
たまに、私の課題をチラリと見ただけで、「そこ間違ってんぞ」なんて言ってくるんだもん。
「ノガミくんって、タケちゃんが言うほど問題児なのかな……?」
「まあ、見た目は明らかに問題児よね」
カナの言葉に苦笑する。確かにそうだけど……。そういえばノガミくんは、好きでこんな外見になったんじゃない、って言ってたな。
私は、あのノガミくんの派手さが、けっこう好きなのに。自分の好きなことを貫けるって、すごいことじゃないかなあ。