世界はきみに恋をしている。
○*・°・
「ノガミくん、今日はなんか静かじゃない?」
「そ?」
いつもの様に3人で美術室で喋り倒し、カナが先に帰った後、私はノガミくんにそう問いかけた。
今日のノガミくんは、ちょっと変だ。
お昼休み、サッカーしてたね。って言っても、スルーされちゃうし。
もしかして、ただの勘違いで、ノガミくんから私達の教室なんて見えなかったのかな?なんて。
私はあの時、ノガミくんがこっちに気づいてくれて、嬉しかったんだけどな……。
「なんかあったの?調子悪い?」
「いやなんもないって。」
ノガミくんはいつもに増してツンとしていて、私とあまり口を聞いてくれない。
もー、なんだっていうの。ノガミくんって本当に気分屋!
「もーいい。私、日誌書いたら1人で帰るからね。ノガミくんなんて知ら___」
「それ、今日受け取ってたやつじゃん」
私の言葉に重なって、ノガミくんがいつもよりちょっと低い声を発した。
受け取ってたやつって……この日誌のこと?ノガミくんから、やっぱり私達の方見えてたんだ。
「ああこれ、私今日日直でね。
職員室に日誌を取りに行くのを忘れてたら、有馬くんっていう人が持ってきてくれたんだ。」