世界はきみに恋をしている。
苦しいほど、抱きしめたい
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俺が美術部に入部して早一ヶ月。
季節は初冬に変わって、ブレザーとカーディガンが必須になった。
この生活にも慣れてきて、なんでか楽しいなんて感じてしまう毎日。
おっかしいよなあ。俺って昔から本当に適当人間で、要領がよくて何でもそつなくこなすって周りから言われてて。
だからさ、こんなに不真面目でも、見た目が派手でも、ここまで普通に生きてこれたわけで。
でも何でだろうなあ。
大好きなスポーツですら1つの種目じゃ続かないのに、この美術室に来るという習慣だけは、この一ヶ月一度もしなかったことがない。
本当に、何でだろうね。
自分でもわからないけど、俺って案外この場所が好きで、案外ミウやカナに会いたいって思ってるんだよね。
そうそう、例えばさ。
俺を不真面目だって思ってるミウが、毎日この扉を開けるたびに、
「今日もちゃんと来たね」って言ってくれるの、中々嬉しかったりするんだよ。