世界はきみに恋をしている。
それはまるで、以前までミウが絵を描いていたような口ぶりだった。
ミウとカナは、いつもここにいる。
俺が扉を開けると、いつも。
たった2人しかいない美術部。しかも活動なんてものはまるでしていなくて、それを顧問のタケちゃんはちゃんとわかってる。
________なんか、オカシイよな。
考えれば考えるほどわからなくて、俺はいつもそこで思考を止めてしまう。
本当は知りたい。この美術部のことも、ミウの、ことも。
だってここに、俺の居場所があるから。
来たいと思える場所が、ここだから。
どんな疑問があっても、この二人のことは信じていいんだって、何故だかそんな風に思える。そんなこと、今まで一度だってなかったんだ。
だから、少しでも。少しでも近づきたい。知りたいんだ。本当は。