わすれられない初恋の話


両手を組んで、祈るように額に当てた。

奇跡が起きるとしたら、今日という、この聖なる夜以外に一体いつがあるっていうんだ。


でも、だって、もし本当に今日ここで会えたら、それはもう運命だ。
きっと再会の喜びの為に、別れがあった。
いくら遠回りでも、なくてはならない行程だったんだとすら思える。



奇跡とか運命とか、口に出すのは簡単だけど信じるのは難しい。
だけどせめて、クリスマスが終わるまでは、信じてみてもいいだろうか。


そして、あの日、高校1年生だった君が、俺からの告白を受け入れてくれた時と同じくらい、幸せそうな顔をしたら。

その時は———。


ポケットから取り出した箱が、イルミネーションの光を浴びて小さく光ったような気がした。



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