足踏みラバーズ



 その後、太郎はB子の想いを受け入れることはなく、数年が経過した頃。



妻のA子が男とホテルに入って行くのを目撃してしまい、それを突き付け、関係が破たんしていく。

A子が離婚に応じず、家庭内別居となった時期に、成長して社会人となったB子と偶然出会う。



お互いにお酒を飲める歳ということで、度々お酒を飲むこともあった。

段々とB子に惹かれていった太郎は、ついに一線を越えてしまうが、それでもいいから会ってほしいと、不倫ということも分かった上で関係が続く。



A子との別れも視野に入れていた頃、妊娠したと告げられ、離婚を思いとどまる。

大きくなったA子のお腹を見て、離婚をしないまま、B子との関係は続いていた。







 ようやく以前の仲睦まじい夫婦に戻れたと安堵していた太郎。



子供が大きくなるにつれて、自分とも妻とも似ていない顔に違和感を覚える。

不自然に子供の血液検査を拒んでいた妻に不信感を抱き、問い詰めると、他の男と関係が切れていないことが判明する。



しかし、自分と体を交えた日から考えても、確かに太郎の子だと言い張るA子。

子供に罪はない、しかしA子ともうまくやっていく自信がない。




離婚という文字が頭を掠めたそのとき、子供に公園に遊びに行きたいとねだられる。
子供と二人で訪れ、遊んでいると、自分の傍に人影が。

顔をあげると、そこにいたのはB子で……。





 最後は、驚愕する太郎が、帽子をかぶって表情の見えないB子を凝視。

風で帽子が飛ばされて、帽子なめの空、という描写で終わっていた。











「だ、誰も救えない……」



 読み終わると、頭を抱えた。


今すぐ相田さんと中島くんとでくんだ、グループLINEに、とんでもない、と一言送りたい。


もやもやしか残らない、後味の悪い内容に思えて、私だったらここ直してほしいかな、なんてパラパラめくっていると、あとがきを読んで驚愕した。



「じ、実話……!」





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