溺愛ENMA様
「出逢いを無駄にしてるとしか思えないけど?もったいないじゃん」

私は困って、少し笑った。

「だよね。でも自分が好きになってから付き合いたい」

なぜか亜子ちゃんは呆れたようにワタシを見ていたけど、やがてニッコリと笑った。

「好きになれるよ。高木海人はカッコいいからさ」

※※※※

放課後。

三階にクラスはなく、準備室や特別室の類いしかないために、渡り廊下にはあまり人がいない。

放課後となると余計だ。

ただ静かで人が少ないから、座り込んでスマホをしたり読書をしたりする子たちはいるけど、だれも私と高木海人を気にする人はいなかった。
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