溺愛ENMA様
四番勝負

信じるな

※※※※※

翌日。

「で、それから高木海人とは?」

「それっきり!だって私は閻魔に担がれて運ばれちゃったんだもん。LINEもこない」

黒板の前で涼馬と戯れている閻魔をみながら、亜子ちゃんが溜め息をついた。

筒状に丸めた英語のプリントで、涼馬にポカポカと頭を殴られている閻魔は何故か嬉しそう。

やがて涼馬が呆れたように閻魔を見たあと、耳元で何か囁くと、閻魔は弾けるように笑った。

そのうち涼馬までが天井を仰いで笑いだして、一部始終を見ていた私は、そんな二人の様子に苦笑した。

「ああ、高木海人、もったいない!」

私はホッと息をついて亜子ちゃんに笑った。

一番後ろの自分の席はみんなが見渡せる。

私は思い思いに過ごしているクラスメートをみながら、ポツポツと呟くように言った。
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