溺愛ENMA様
「なに、どうしたの?仁、なんか変」

「ルナ、いいか。良く聞け。お前は……悪魔に眼をつけられてるんだ」

「……悪魔?」

仁が私を抱き締めた。

「ルナ、俺と来い。夢の中なら俺が守ってやれる。な?俺と夢の国へ行こう」

私は焦りながらも仁の赤い髪を撫でて、彼を落ち着かせようとした。

「待って、仁、意味が分かんない」

「ルナ、お前を死なせたくない。俺と夢の国で暮らそう。そしたら死ななくてすむし、ずっと一緒にいられる」

仁の必死な赤い瞳に、私は混乱した。

「仁、意味分かんない。悪魔ってどんな悪魔?仁はなにか知ってるの?」

私の質問に、仁が怯えたように息を飲んだ。
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