溺愛ENMA様
「仁、早く!話は夢で」

閻魔が低い声で叫んだ。

「逃がすかよ!長い間ルナを騙していた罰を下してやる!」

閃光が、仁の身体を貫いた。

悲鳴と共に仁の姿がかき消え、彼が無事かどうか分からないまま辺りが静まり返った。

……仁……仁。

「ルナ、こっち来い」

こちらに伸ばした閻魔の手を、私は思いきり弾き返した。

涙で閻魔の顔が滲む。

「ルナ、お前はあの赤髪に騙されてるんだ」

「嘘よっ!仁は友達なのにっ」

「お前はなんにも分かってねーんだよっ!アイツを信じるな」
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