溺愛ENMA様
絶対違う!絶対に違うもん!!

「閻魔なんか嫌い!離してっ。……きゃあああっ!!」

その時、久々に腕のアザがズキッと痛んだ。

身体に長い剣を突き立てられたように、激しい痛みが走った。

「おい、ルナ!」

「きゃあああっ!!」

倒れそうになった私を、血相を変えた閻魔が抱き止めた。

ダメ……ダメだ。

次の瞬間、雷に打たれたように身体に電気が走った。

「あああっ!」

「ルナ、ルナ!しっかりしろ!」

このときの私は知らなかった。

肩のアザが、濃い紫色に変化していた事に。

薄れ行く意識の中で、私はただ仁の無事だけを祈っていた。
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