溺愛ENMA様
※※※※※※

目が覚めると、ベッドに寝かされていた。

そばには椅子を引き寄せて座る閻魔の姿があった。

「ルナ」

左手が温かくて、見ると閻魔が握っていた。

「仁は?」

「殺してない。無事だ」

よかった……!

閻魔は短くそう言うと、私の顔を覗き込んだ。

「……そう怒るなって」

「だって、仁を」

「取り憑いたのが、アイツだったらどうするんだ」

「……仁はそんなことしないよ」
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