溺愛ENMA様
「悪魔にいいヤツなんかいねぇんだよ。下心があるに決まってるだろ」

お前が言うなっ。

「閻魔なんか嫌いだから!仁は悪魔だけど優しいのに!」

ムカつく。

キッと睨みながら起き上がろうとした私を、閻魔が支えた。

肩が痛くてそっと見ると、アザが濃く変化している。

「……アザの色が濃くなってる……」

肩のアザを覗き込んだ閻魔の顔色が変わった。

「…………」

「……閻魔。私、本当に死んじゃうの?」

閻魔が私の手を強く握った。

迫った眉の下の、黒に近い紫の瞳が不敵に光る。

「俺を誰だと思ってる」
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