溺愛ENMA様
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仁が作ってくれた、薄暗くて幅の狭い道をひた走っていると、次第に遥か前方が別の色に変わっていった。
反射的に、もうその先が目的地だと理解し、私は一旦足を止めると、息を整えようと深呼吸を繰り返した。
最後の一歩を踏み出し、地に降り立つと同時に道が消えて、私は辺りを見回した。
風は、ユルユルとしていてぬるい。
青くない空には、紫色の月なのか太陽なのか分からない丸い天体が浮かんでいる。
それから私は、目の前の大きな川を見て、思わず眼を見張った。
……絶対、これだ。
絶対これが『三途の川』だ。
左手側の、遥か向こうに見える橋には、何人かの人々が見える。
橋だけじゃなく、川の中を泳いで渡る人もいる。
『皆は上手く出来て、あっちに行けてるのに、私はどうしても上手く出来ないの』
仁が作ってくれた、薄暗くて幅の狭い道をひた走っていると、次第に遥か前方が別の色に変わっていった。
反射的に、もうその先が目的地だと理解し、私は一旦足を止めると、息を整えようと深呼吸を繰り返した。
最後の一歩を踏み出し、地に降り立つと同時に道が消えて、私は辺りを見回した。
風は、ユルユルとしていてぬるい。
青くない空には、紫色の月なのか太陽なのか分からない丸い天体が浮かんでいる。
それから私は、目の前の大きな川を見て、思わず眼を見張った。
……絶対、これだ。
絶対これが『三途の川』だ。
左手側の、遥か向こうに見える橋には、何人かの人々が見える。
橋だけじゃなく、川の中を泳いで渡る人もいる。
『皆は上手く出来て、あっちに行けてるのに、私はどうしても上手く出来ないの』