溺愛ENMA様
「知ってるよ、ルナ」

……え。

私はキョトンとしてロイ君を見上げた。

「僕だよ、ルナ」

私を知ってる……?てことは……。

私は慌ててアメリカでの出来事を思い返した。

数年間分のクラスメートすべてを思い出すことは出来ない。

ロイ、ロイ……。

「ヒントはハロウィン」

「あ……!」

記憶が、一番忘れがたいハロウィンでカチャリと止まった。

それから次第に胸が高鳴る。

「もしかして、あの時の、ロイ?!」
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