溺愛ENMA様
驚かされてキレる私の前で、閻魔は素早く起き上がるとソファから立ち上がった。

「今までどこにいた」

そ……れは……。

「か、架純ちゃんとショッピング」

嘘だけど。

だって、彼ができてデートしてましたなんて、閻魔には言いにくい。

そりゃあ、ずっと嘘はつけないし、いずれは言おうと思ってるけど、私のせいで蘭さんと『遠恋』になっちゃった閻魔に、私だけ近くに彼がいるなんて言いにくい。

「…………」

う、痛いわ。

唇を引き結んで私を見下ろす、閻魔の視線が痛い。

「こっち来い」
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