溺愛ENMA様
「あ?ゴミ?」

私はこっちにやって来る閻魔に飛び付くと、その腕をガシッと掴んで教室を出た。

「なんだよ」

私は閻魔を校舎の一番端まで引っ張ると、くるんと振り返って彼を睨んだ。

「なんでわざわざゴミの話をこんなとこですんだよ」

「それは嘘。閻魔、今、女の子に好きって言われたの?言っとくけど、味見とかダメだからね!」

私が閻魔に一歩踏み出すと、彼は予想に反してニヤリと笑った。

「なんだよ、嫉妬かよ」 

言いながら閻魔は、腕一本でさらうように私の腰を抱き寄せた。

「バカかっ!違うわっ!」

バシッとその手をハタキ落とすと、私は腕を組んで眉間にシワを寄せた。
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