溺愛ENMA様
「ルナ、お前は俺が嫌か?」

さっきまでニヤついていた閻魔が真顔になり、切り込んだような二重の眼が潤んでみえた。

やだ、本気で私まで獲物にする気?!

「な、なに言ってんの、このタラシ!私はね、好きな人がいるの。もうつき合ってるし」

いつ言おうか迷ってたし、改めて言うのも何か変だし、タイミング的には上手く言えて私は少しホッとした。

そんな私とは対照的に、閻魔は眼を見開いて僅かに口を開いた。

「な、なんでそんな驚くのよ。私だって好きな人くらい、わっ!」

閻魔が私の頭を掴んで引き寄せたあと、両手で頬を包むようにして至近距離から私を見つめた。

「近いってば閻魔っ」
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