溺愛ENMA様
亜子ちゃんが跳ねるように仁科君に駆け寄るる。

「じゃ、また後でね」

舞花ちゃんも、浅田君と行ってしまい、後には私とロイだけが残る。

「ルナ、おいで」

ロイが私を優しく引き寄せて抱き締めた。

途端に、そばで「キャア」と女子の声が上がる。

ロイが私にハグをしたのを見た女の子達が、小さな声でいいな、と呟いた。

うん、嬉しい。

「ルナ、会いたかった」

「私も」

ロイが私を見て優しく微笑んだ。

「本当は唇にキスしたいけど、ほら……ハグだけでも注目されちゃうから、我慢するよ」
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