溺愛ENMA様
ダメだわ、名案が思い浮かばない。

その時、

「おい、コラ!」

きゅあっ!!

一向に振り返らない私に業を煮やして、声の主が声を荒げた。

「はっ、はいっ!!」

しまった、と思った時には既に遅く、私は声の主を振り返ってしまっていた。

え。

……なに、この男前。

場所柄、てっきり赤鬼とか青鬼とか、そーゆー類いの生き物かと思っていた。

けれど私の眼の前に立っていたのは、凛々しい眉毛の下の切れ長の眼が印象的な、物凄いイケメンだったのだ。

なに、素敵。
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