溺愛ENMA様
隣の女子達の黄色い声援が、耳に響く。

涼馬はもとより、宮島くんと閻魔もかなりの身体能力だ。

バネのように跳び跳ねてシュートを決める両チームのメンバーに、私は圧倒された。

この調子なら、控えの永瀬くんもかなり凄いんだと思う。

あっという間に前半の五分が終った。

「ルナの応援したい人ってどの人?」

私は桜ちゃんからスポーツドリンクを受け取っている閻魔を指差して、ロイの耳に口を寄せた。

「あれ。女の子からペットボトル受け取った子」

ロイは、私の指を追うようにコートの閻魔に目を向けた。

「…………」

こっち向くかな。
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