溺愛ENMA様
私は目の前の長身イケメンをマジマジと見つめた。

ツンツンの短髮の黒髪、黒い瞳、通った鼻筋に、意思の強そうな口元。

……か、カッコいい……!

加えて広い肩幅に、締まった体型。

しばらく見惚れていた私だけど、

「お前、死人じゃねえな」

彼のその一言でハッと我に返り、私はブンブンと首を横に振った。

「し、死んでます!」

だって、生きてます、なんて言ったらややこしくなると思って。

ここは死後の世界だし、多分。

けれど彼は、私の言葉なんて聞こえていないかのように首をバキバキとならしながら私を見下ろした。
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