溺愛ENMA様
嘘でしょ、ロイが……誰か、嘘だと言って。

その時、閻魔の言葉が脳裏をよぎった。


『 お前、取り憑かれてるぜ。お前、過去に人間以外と接触しただろ。このアザは、そういう人間に出来るアザだ 』


信じられない。

破裂しそうな心臓が痛くて、息が出来なくなりそうだった。

仁じゃ……仁じゃなかったのだ。

私に取り憑いていたのは……ロイだったんだ。

全身の血液が足の先から抜けていくような感覚がして、目眩がした。

「おっと、大丈夫?」

ロイの言葉と同時に、私の身体がスーッと浮いた。

「や、だ。やめ……」
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