溺愛ENMA様
「……何しに来た」

もしかして、彼は分かるのかも。

死人と生きている人の違いが。

なら、嘘をついても無駄な訳で……。

「女、答えろ」

少しだけつり上がった眼が、私を見据えている。

ああ、もう言うしかない。

「あの、実は……人を探してて」

「…………」

そこまで言ったけど彼は無言だったから、私は続けた。

「彼女、岩瀬朱里って名前なんですけど、知りませんか?」

「……知ってるかもな」

……え?
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