溺愛ENMA様
怖くて喉の奥がキュッとしまる。

声が震えて、ちゃんと喋る事が出来ない。

身体がひとりでに玄関ドアから離れていって、

「さあ、リビングに戻って」

そう言って踵を返したロイの背中を追ってしまう。

「嫌、嫌だ、ロイ」

絞り出した私の声を聞いてロイがクスリと笑い、肩越しに振り返った。

「約束したじゃないか。将来、結婚しようって。僕の花嫁になってくれるって」

ロイの青い瞳が、ギラギラと光った。

カチャリと勝手にドアが開くと、私の身体は浮いたままロイの横を通りすぎて、ソファに寝かされた。

「楽しみたい?それとも早く済ませたい?」
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