溺愛ENMA様
ロイの眼が怒りに震えた。

「殺す」

「ルナ、今のうちに逃げろっ!」 
 
嫌だ、仁をおいてなんか行けない!

「死ね、ジーン」

「嫌よ、やめてーっ!」

ロイが右手を高く上げた時だった。

「ぎゃあああっ!」

その高く上げたロイの手が、パァン!と音をたてて砕けた。

閃光が部屋いっぱいに広がり、私は思わず顔を覆った。

ああ、でもこの光……。

この光に見覚えがある。

この光は確か。
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