溺愛ENMA様
「お前を泣かせたチンケな悪魔を退治してやるぜ。俺に惚れるなよ?」

その笑顔は野性的で妖艶で、実に閻魔らしかった。

「閻魔、来てくれてありがと」

「褒美、期待してるぜ?」

うん、うん。

なんだってあげる、閻魔になら。

「いい加減にしてもらおうか!」

ロイの低い声が響いた。

「なかなか、良い魔法を使えるんだね。文化祭では……人と見分けがつかなかったよ」

閻魔が刀を回転させて水平に担ぎ直し、それに両腕を絡めた。

「神通力だ、それもごく基本のな。言っちゃ悪いが、お前の可愛い魔法とやらは直ぐに見抜けたぜ」
< 197 / 328 >

この作品をシェア

pagetop