溺愛ENMA様
ロイがグッと奥歯を噛んで閻魔を見据えた。

「昨日は悪かったな、ルナ。こいつを網にかけるためには、お前にああするしかなかったんだ」

私は昨日、閻魔にソファで組み敷かれたのを思い出した。

閻魔はロイを見て、ニヤリと笑った。

「案の定、まんまと掛かってくれて感謝するぜ」

ロイがギリッと歯軋りして、閻魔を睨んだ。

「……喋りすぎだ。もう死ね」

「その言葉、そっくり返すぜ!」

ロイの口から黒い煙が矢のように飛び出して、閻魔に襲いかかった。

「フッ!」

閻魔が抜き放った刀を軽く一振りすると、彼の身体の手前で、黒い煙は霧のように消え、跡形もなくなった。
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