溺愛ENMA様
それを見たロイが、視線だけで壁にかかっていた絵画を操り、閻魔めがけて投げつけた。

真後ろから飛んできた絵画を振り返りもせずに、閻魔は右腕を上げて粉砕し、ニヤリと笑った。

すると立て続けに花瓶や写真立てが空を飛び、その全てを閻魔が払い落とし、ガシャガシャとけたたましい音が辺りに響き渡った。

「お前、俺を舐めてんのか」

閻魔の言葉に、ロイの顔つきがみるみる変わる。

「遊びは終わりだ」

「そう願うぜ」

ロイの言葉を聞いた閻魔の瞳が、鮮やかな紫に変わった。

「悪鬼清浄急急如律令」

刀を縦にして顔の前で構えると、閻魔は何か分からない言葉を呟いた。
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