溺愛ENMA様
ロイが叫び、その時刀が空中で止まった。
指二本を顔の中央で構えた閻魔と、黒い蛇と化したロイの力に、刀が小刻みに震えた。
「刀を取り合ってる……!」
仁がかすれた声でそう言うと、額に汗を浮かべたままそれを凝視した。
次第に閻魔の瞳から、激しい紫の炎が生まれて燃えた。
「悪いな、お前の負けだ」
ゆっくりと刀が回転して、閻魔に向いていた切っ先が、ロイを捉える。
「クッ!」
歯を食い縛るロイに、閻魔が言い放った。
「アスモデウス。悪の復讐者であるお前に審判を下す」
閻魔の低い声は地を這うように響いた。
「罪もない人間の身を乗っ取り、我が身の復讐のために人との間に子孫を増やして人間界を征服しようとするお前の罪は死に値する。この刀を身に沈め、死を以て罪を償え!」
指二本を顔の中央で構えた閻魔と、黒い蛇と化したロイの力に、刀が小刻みに震えた。
「刀を取り合ってる……!」
仁がかすれた声でそう言うと、額に汗を浮かべたままそれを凝視した。
次第に閻魔の瞳から、激しい紫の炎が生まれて燃えた。
「悪いな、お前の負けだ」
ゆっくりと刀が回転して、閻魔に向いていた切っ先が、ロイを捉える。
「クッ!」
歯を食い縛るロイに、閻魔が言い放った。
「アスモデウス。悪の復讐者であるお前に審判を下す」
閻魔の低い声は地を這うように響いた。
「罪もない人間の身を乗っ取り、我が身の復讐のために人との間に子孫を増やして人間界を征服しようとするお前の罪は死に値する。この刀を身に沈め、死を以て罪を償え!」