溺愛ENMA様
「ロイ……ごめんね。気付かなくて。それから、大変だろうけど頑張ってね」

涙で声が途切れて、私は大きく息を吸い込んだ。

「ロイ、さようなら」

眠っているロイはとても綺麗だった。

私が見つめていたその時、フワリとロイの口元がゆるんだ。

ロイ……!

その浅い微笑みを、私はずっとずっと忘れない。

さよならロイ、元気でね。

今後のロイの幸せを祈りながら、私は暫くの間泣き続けた。
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