溺愛ENMA様
「ごめん、僕もう行かないと。さよなら。元気でね」

「うん、さよなら」

背を向けて駆けていくロイの背中が、光に包まれて眩しかった。

※※※※※

目が覚めた私は、とても爽やかでやけにスッキリしていた。

眼の前には閻魔の首筋があり、相変わらず逞しい腕が、私を守るように絡んでいる。

閻魔、守ってくれてありがとう。

少し眼を上げると閻魔が私を見つめていた。

眼が合って、何だか気恥ずかしい。

「閻魔」

「ん?」

「もう大丈夫。ありがとう」
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