溺愛ENMA様
私がそう言って身を起こすと、閻魔も腕を解いてゆっくりと起き上がった。

「本当か?」

「……うん」

閻魔の、紫に近い黒い瞳がとても綺麗で、見とれそうになる。

「ルナ」

「ん?」

返事をしたのに、閻魔はその先を言わなかった。

ただ黙って私を見ているから、私が話し出した。

「まだ全快じゃないけど、少しずつ復活するよ。よく考えたら失恋と一緒だよね。だから頑張って元気になる。元気になったらまた好きな人が出きるかもだしね。わっ!」

言い終えた私を、閻魔が突然引き寄せた。

「痛いじゃん、閻魔」
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