溺愛ENMA様
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気まずいまま、土曜日がきてしまった。

結局桜ちゃんには真実を報告出来ず、私は友達に対して最大の裏切りを犯してしまったという気がしてならなかった。

桜ちゃんは項垂れる私に、

「円真君、今は誰とも付き合う気がないのかなぁ」

ごめん。本当にごめん。

あれからの私と閻魔は、表面上は何ら変わりがなかったけど、どうしても私は意識してしまい、閻魔と眼を合わすことが出来なかった。

「……閻魔、行こう」

「おお」

二人で家を出たものの……気まずい。

私達は待ち合わせの『BIGJOY』まで無言で歩いた。
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