溺愛ENMA様
「いやあの、変な意味じゃなくて、その」

その時亜子ちゃんが、

「そこの二人っ!回り見えてないんじゃないの?!迷子になんないでよね。ほら高木君、ルナの手繋いでてやって!」

涼馬がそれを見て、

「海人、早速かよ!昼飯、アーンって食わせてもらおうとか考えてんじゃねーのー?」

皆がゲラゲラと笑うなか、高木君が私の手を握った。

それも力強く。

「いいだろ。好きなんだ」

……え。

「きゃーっ」

高木君が私を見てそう言うと、亜子ちゃんが頬に両手を当てて叫んだ。

「はいはい、ごちそーさん!行こうぜ!」

涼馬がそう言うと、永瀬君と閻魔の肩を抱いて先を歩いた。

その直後、高木君に連れられて歩く私の耳に桜ちゃんが囁いた。

「ルナ、良かったね!私も円真君と仲良くなれるように頑張るね」

胸がズキズキした。

閻魔は私を見ようともしなかった。
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