溺愛ENMA様
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案の定、桜ちゃんは閻魔から離れなかった。

ランチを食べている最中も、なにかと閻魔の世話を焼いていて、亜子ちゃんと架純ちゃんにからかわれていた。

私はといえば、閻魔と話をする時間だけがまるでなかった。

だって、閻魔が私を避けるんだもの。

気まずいままは嫌だと思って近寄っても、私を眼の端で捉えると、永瀬君や涼馬の方に行ってしまうのだ。

……なによ。

桜ちゃんとは楽しそうに話すのに。

しかも高木君に何か話しかけられて言葉を返すと、閻魔は白い歯を見せて笑った。

私にだけ……凄く感じ悪い。

負の感情がムクムクと湧き起こり、どす黒い煙となって私の胸の中に広がる。

……私ったら、凄く嫌なヤツだ。

そう思って自分を責める気持ちと、閻魔の態度を避難する自分の気持ちのバランスが取れない。

……だめ。

こんなの、私らしくない。

落ち着いて、落ち着いて。

私は皆に気づかれないように何度か深呼吸を繰り返した。
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