溺愛ENMA様
「……閻魔大王ともあろう人が、人間の女の子に恋するなんて笑っちゃう」
閻魔が息を飲むのが僅かに聞こえた。
「 私が閻魔を好きになるわけないでしょ。私は閻魔を好きじゃない。 もう帰って」
「ルナ……愛してるんだ」
「無理だよ……私の方が早く老いるんだよ。幸せなのは、最初だけだよ。いずれ閻魔は心変わりするに決まってる」
「ルナ……」
「わ、私……恋をするなら誰からも祝福される相手がいい……。閻魔となんて、親にも言えないじゃない。私達は最初から結ばれない。だからさよなら」
閻魔が私の二の腕を強く掴んだ。
「ルナ!俺を見ろ!」
これ以上は、もう無理……。
胸が痛くて死にそうだった。
「私を思うなら、もう諦めて帰って。これ以上苦しめないで」
閻魔を傷付けた事が怖くて怖くて、彼を見ることが出来なかった。
※※※
どれくらいそこにいたのかは分からない。
ただ、温かい閻魔の身体が溶けるように消えて、私の身体に新しい空気が触れたのは分かった。
もう、二度と彼は私の前に姿を現さないだろう。
「ううっ……!うわああああっ」
声を殺すなんて出来なかった。
「閻魔、閻魔っ」
せめて彼の名前を、呼んでいたかった。
閻魔が息を飲むのが僅かに聞こえた。
「 私が閻魔を好きになるわけないでしょ。私は閻魔を好きじゃない。 もう帰って」
「ルナ……愛してるんだ」
「無理だよ……私の方が早く老いるんだよ。幸せなのは、最初だけだよ。いずれ閻魔は心変わりするに決まってる」
「ルナ……」
「わ、私……恋をするなら誰からも祝福される相手がいい……。閻魔となんて、親にも言えないじゃない。私達は最初から結ばれない。だからさよなら」
閻魔が私の二の腕を強く掴んだ。
「ルナ!俺を見ろ!」
これ以上は、もう無理……。
胸が痛くて死にそうだった。
「私を思うなら、もう諦めて帰って。これ以上苦しめないで」
閻魔を傷付けた事が怖くて怖くて、彼を見ることが出来なかった。
※※※
どれくらいそこにいたのかは分からない。
ただ、温かい閻魔の身体が溶けるように消えて、私の身体に新しい空気が触れたのは分かった。
もう、二度と彼は私の前に姿を現さないだろう。
「ううっ……!うわああああっ」
声を殺すなんて出来なかった。
「閻魔、閻魔っ」
せめて彼の名前を、呼んでいたかった。