溺愛ENMA様
でも……よく考えるとそうなるよね。
転校生としてうちの学校に来たのも彼の神通力だったし、去るときは手っ取り早くみんなの記憶を消した方が早い。
……じゃあ、私は?
私の記憶はどうして消さなかったの?
忘れちゃったら楽なのに。
忘れられるかなって思ったのに。
ツ-ッと、涙が頬を伝った。
もう、ダメだ。
「……亜子ちゃん」
私は、震える声を必死で抑えながら亜子ちゃんを見た。
亜子ちゃんは、どう思うだろうか。
閻魔との出来事を正直に話したら。
私を嘘つき呼ばわりするだろうか。
それとも、気味悪がるかな。
分からないし怖い。
でも、ここから抜け出して、私は先に進みたい。
じゃないと苦しくて悲しくて、耐えられない。
「あのね、亜子ちゃん」
私は大きく息をしてから、ポツポツと話し出した。
転校生としてうちの学校に来たのも彼の神通力だったし、去るときは手っ取り早くみんなの記憶を消した方が早い。
……じゃあ、私は?
私の記憶はどうして消さなかったの?
忘れちゃったら楽なのに。
忘れられるかなって思ったのに。
ツ-ッと、涙が頬を伝った。
もう、ダメだ。
「……亜子ちゃん」
私は、震える声を必死で抑えながら亜子ちゃんを見た。
亜子ちゃんは、どう思うだろうか。
閻魔との出来事を正直に話したら。
私を嘘つき呼ばわりするだろうか。
それとも、気味悪がるかな。
分からないし怖い。
でも、ここから抜け出して、私は先に進みたい。
じゃないと苦しくて悲しくて、耐えられない。
「あのね、亜子ちゃん」
私は大きく息をしてから、ポツポツと話し出した。