溺愛ENMA様
亜子ちゃんはブンブンと首を振りながら涙を拭った。

「ルナ、大変だったんだね。良かった!ルナが無事で。でも……」

「うん……」

「彼の事、好きなんでしょ?」

私はコクンと頷いた。

「信じられない話だけど、彼は人間じゃないし、上手くいきっこない。歳をとる早さだって違うんだもの。だから最初は良くても、結果的にお互いが苦む事になると思うと、彼の気持ちには答えられなかった。
……時間が経てば忘れられると思ってたのに、日を追う毎に彼への想いが強くなるの」

シャクリ上げる私を、亜子ちゃんが抱き締めた。

「ルナ、泣かないで」

「亜子ちゃん、私、凄く辛いの。閻魔が好きで好きでたまらない。閻魔のいないこの世界が灰色に見えるの。閻魔はいつも私を大切にしてくれていたのに、彼に酷いこと言っちゃったの」
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