溺愛ENMA様
彼は……彼は何の取り柄もない私を選んでくれようとしたのに、私は……!

なんてバカなの、私。

始まってもないのにハナから諦めて、彼を傷つけて。

これじゃ後悔しか残らないって、何故気付かなかったの!?

胸が痛くて痛くて、息が苦しい。

そんな私に亜子ちゃんは続けた。

「ルナ、あんたは謝らなきゃならない。愛してくれた人を傷付けたままなんてダメでしょう?
ちゃんと謝って、それから閻魔に自分の想いを伝えなよ。それでダメならまたその時に考えよう。だって人生は一度きりだよ?失敗しても後悔はしたくないでしょ?!」

失敗しても後悔はしたくない。

そう言えば私と亜子ちゃんは、入学したときからお互いにそう言っていた。
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