溺愛ENMA様
閻魔が好きだ。

やっぱり私は、閻魔と離れたくない!

私は涙を拭うと、亜子ちゃんをまっすぐに見つめた。

「亜子ちゃん、私閻魔に会ってくる。あの日傷付けたのを謝って、それから告白する」

私がそう言うと、亜子ちゃんは泣き笑いの表情で頷いた。

「私、この世界一の恋を応援する!だから、頑張って!」

世界一の恋。

亜子ちゃん、そう言ってくれてありがとう。

私、あなたと親友で良かったよ。

私の為に泣いてくれたあなたを、私もこの先大切にする。

「早く行きなさい」

「うん!」

私は亜子ちゃんにありったけの笑顔を向けると、彼女にハグをして駆け出した。

早く仁に会わなきゃ。

仁にもう一度、死者の国へ連れていってもらおう。

私は立ち止まらずに、ひたすら自宅へと急いだ。
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