溺愛ENMA様
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私が呼ぶと、仁は直ぐに来てくれた。

「なんだよ、その腫れまくりの顔は」

「だって……」

「困ったウサギだな」

泣きすぎて真っ赤になった私の眼を見て、仁はクスリと笑った。

「ほら、こっち来い」

仁が、怪我をした肩と逆の腕を私に伸ばした。

「……まだ痛む?」

仁が首を横に振った。

「相手が相手だっただけに長引いたけど、もう大丈夫だ」

そう言いながら、私を引き寄せて頭をクシャリと撫でると、仁は再び笑った。
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