溺愛ENMA様
「痩せたな」

「…仁、お願いがあるの………」

「……分かってる」

仁が柔らかい眼差しで私を見下ろした。

「お詫びに、あの世への道を作ってやる」

私は、仁の言葉の意味が分からなくて、首をかしげた。

「お詫びって?」

「……アスモデウスに荷担してたこと」

たちまち仁の赤い瞳に、後悔や憎しみ、苦しみとか悲しみ、その他の何とも言えない感情が生まれて揺れた。

それらが混ざりあった仁の瞳はやっぱり私の大好きな赤色で、綺麗だった。

「私、分かってるの。仁は悪くない。仁は私を誰からも守ってくれていたんでしょ?だからずっと傍にいてくれたのよね?……ありがとう、仁」
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