溺愛ENMA様
「ネエちゃん、なにしに来たんだ?」

ああ、もう逃げられない。

身体中に冷や汗が浮かび上がり、思わずゴクリと喉を鳴らした私を見て、猫の眼のような外道衆が嬉しそうに笑った。

「ジジイ、この女、貰っていくぜ」

「やだ、ちょっとっ!」

ニュッとこっちに伸びてきた外道衆の手を咄嗟にかわすと、驚いた事に彼らは後ろにひっくり返った。

まるで、眼に見えない何かに突き飛ばされたみたいに。

「ジジイ、何しやがる!」

「この娘はワシの客じゃ」

尻餅をついた外道衆達が、慌てて起き上がりながらお爺ちゃんを睨み付けた。

嘘でしょ?お爺ちゃんがやったの?!
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